ACT001-代謝酵素"X"

~小細胞肺がんに挑む新しい分子標的治療~

難治性がん「小細胞肺がん」に新たな可能性

私たちが現在注力している研究は、「小細胞肺がん」に対する革新的な治療法の創出です。
小細胞肺がん(SCLC)は進行が非常に速く、早期に全身へ転移することが多いため、標準治療では長期的な効果が得にくい難治性がんのひとつとされています。

がんに特異的な代謝酵素"X"を標的に

当社の研究チームは、"小細胞肺がんにおいて高度に発現する代謝酵素「X(仮称)」"を発見しました。
この酵素は正常組織ではほとんど発現せず、小細胞肺がん細胞に特異的に活性化されていることが判明しています。さらに、この酵素Xの働きを阻害することで、がん細胞の増殖が著しく抑制されることを確認しました。

小細胞肺がんに高度に発現する代謝酵素Yの阻害剤を開発し、ヒト小細胞肺がんを移植したマウスでの効果を検討した結果、X阻害剤は強い抗腫瘍効果を発揮した
図:小細胞肺がんに高度に発現する代謝酵素"X"の阻害剤を開発し、ヒト小細胞肺がんを移植したマウスでの効果を検討した結果、X阻害剤は強い抗腫瘍効果を発揮した

強力な低分子阻害剤の発見

この基礎研究に基づき、当社ではXを標的とする低分子化合物の探索を実施。
その結果、"高い選択性と阻害活性を持つ化合物候補を得ることに成功しました。
この化合物は、細胞実験および初期モデルにおいて、非常に強力ながん抑制効果を示しています。

今後の展望

今後は、阻害活性剤をさらに最適化し、安全性・薬物動態評価を経て前臨床試験に進める計画です。
標準治療との併用や薬剤耐性を克服する新たな治療選択肢として、小細胞肺がんに対する画期的な分子標的治療薬の実現を目指します。

よくある質問(FAQ)

Q1. この阻害活性剤はすべての小細胞肺がん患者に適用されますか?

A. この阻害活性剤は、代謝酵素Xが高度に発現している小細胞肺がんに対して効果を発揮するように設計されています。
将来的には、バイオマーカー検査によってXの発現が確認された患者さんに、より選択的に投与される予定です。

Q2. 他の治療法と併用することは可能ですか?

A. はい、この阻害活性剤は化学療法や免疫療法と併用することで相乗効果が期待されています。
前臨床研究においても、他治療との併用効果を検証中です。

Q3. 投与方法について教えてください。

A. 現時点では、経口投与を前提に開発が進められていますが、最終的な投与方法については前臨床・臨床試験の結果をもとに決定されます。